おにさんの遺伝解説


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次に実際にペアを組んだ時の品種の発色についてです。

まずは常染色体劣性遺伝です。

ホワイトフェイス♂とノーマルの♀のペアで考えてみましょう

♂はWFの遺伝子を一対持っているので♂から子にはWFの遺伝子が
一個渡されます。♀はWFは持っていませんのでノーマルの遺伝子が
一個渡されます。子はWFの遺伝子が二個揃いませんのでWFは発色
せず見かけはノーマルになります。この状態をWFのスプリットと
言います。常染色体の遺伝では♂♀の羽色が逆でも結果は変わりません。

次に上のペアから生まれた子とWFをペアにしてみます。
雌雄は関係有りませんが一応♂が上のペアから生まれたWFスプリット、
♀がホワイトフェイスとします。

♂はホワイトフェイスの遺伝子を一個しか持っていませんので子には
ホワイトフェイスの遺伝子wfかノーマルの遺伝子nのどちらか一個が
渡されます。♀親はWFの遺伝子を一対持っているので子には必ず
ホワイトフェイスの遺伝子wfが一個渡されます。子が貰う遺伝子の
組み合わせはnとwf、wfとwfの二通りになり、wfを2個揃った個体は
ホワイトフェイスになります。よってこのペアからは確率2分の1で
ホワイトフェイスが生まれることになります

、
性染色体劣性遺伝は、シナモン、ルチノー、パールなどがそれに当たります。
ルチノー(lu)を例に取るとオスはZ(lu)とZ(lu)、メスはZ(lu)とW(メスを
決定する遺伝子で羽色の情報は持ちません)の組み合わせになります。
重要なのはメスはルチノーの遺伝子Z(lu)1つでルチノーが発色する事です。

オスがルチノーでメスがノーマルのペアならどうでしょう。
オスはZ(lu)とZ(lu)を持ち、メスはZ(N)とWを持ちます。子供に渡される
遺伝子は、1) Z(lu)とZ(N)、2)Z(lu)とW、3)C=Z(lu)とZ(N)、
4)Z(lu)とWの組み合わせになります。メスがルチノーの遺伝子を持って
いなくても2)と4)の組合わせの時はルチノーのメスが生まれ1)と3)では
外見はノーマルの♂(ルチノースプリット)が生まれ雌雄の産み分けが出来る
ことになります。

オスが完全ノーマルでメスがルチノーの場合はオスがZ(N)とZ(N)、メスが
Z(lu)とWの遺伝子を持ちますのでヒナの遺伝子の組み合わせはa=Z(N)と
Z(lu)、b=Z(N)とW、c=Z(N)とZ(lu)、d=Z(N)とWとなって
生まれるヒナはすべてノーマルになります。

見かけがノーマルのオスとルチノーのメスでペアを組んでルチノーが生まれた
場合、オスがルチノーの遺伝子を隠し持っていたことになります。この場合
オスの遺伝子はZ(N)とZ(lu)の組み合わせだったと想像できます。メスが
Z(lu)とWですから、a=Z(N)とZ(lu)、b=Z(lu)とZ(lu)、c=Z(N)と
W、d=Z(lu)とWとなり♂♀共にルチノーが生まれる可能性があります。


ルチノーをシナモンやパールの遺伝子と置き換えても同様の結果になります。
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